県立農業大学校の社会人向けコースは歴史が浅く、以前は中高校卒業後の進路の一つでしかありませんでした。その歴史のため職業訓練校としての一面と、校則の緩い高校のような一面があります。
- 学校では提出物も多く、学業に専念できないと難しいです。短時間バイト程度は可能かもしれません。
- 実践的な授業が多いですが、基礎力をつける事も併せて重視しています。栽培する事だけを考えれば過剰だと感じる方もいるでしょう。また必要な授業のみをかいつまむ事はできません。
- 選択授業はありますが、基本的には高校の時間割通りの出席が必要です。学校行事にも参加する必要があります。
- 新規で農家を始める方にとっては、一年の学校での実習だけでは技術的に不十分です。
- 販売先に関する講義もありますが、技術を学ぶところであり、有利販売を学ぶ場所ではありません。特に特殊な作物を検討される方は事前相談をお勧めします。
農家になるという目的のためには、鍬や刈払機の使い方、農薬の使い方などを短期間で研修した後は、希望する作物の農家に弟子入りしてから独立する方が確実かもしれません。
弟子入りと聞くとひたすら奉公のイメージがあるかもしれませんが、品種選びから、出荷調整時の似姿、資材、出荷単位(kg)、売り先、出荷方法など、知らないと営農できない知識は師匠に聞くしかありません。ここには書き切れない、Webでは知り得ない必要な情報が想像以上に多くあります。
学校でも農家研修に行きますが、年間を通じて必要な作業を必要なタイミングで一緒に学べる弟子入りも合理的だと思います。
農業大学校の良い点は、複数の実地経験豊富な大学クラスの講師から学べる事と、栽培実習では専門知識のある職員が複数ついてくれることです。多数の専門家から学べるので、将来の応用が利くと思います。また自分は関わらないにしても、いろいろな農業の形態を学べます。
つづきはまた。